経済ブログ

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日本銀行の懸念

 黒田日銀総裁は先日の講演で、「日本経済が中長期的に成長するためには供給力の拡大が重要。」と発言し、成長戦略の重要性を強調した。

 日銀はこれまで、需給ギャップが大きくマイナス(供給過多)なことが主な要因で起こっていたデフレからの脱却、経済の活性化をめざし、大規模な金融緩和を行って来た。その結果、需給ギャップは解消され、物価は上昇し経済も上向いてきた。そうすると今度は、供給(生産)側に、人手不足という問題が出てきた。供給が伸びず需要が伸びていくと、物価上昇の圧力は増す。しかし、物価は上昇するが、経済が成長しない、企業の利益が伸びない、給料が増えないとなると、国民にとっては大きなマイナスだ。日銀は、このスタグフレーションの状態になることを懸念している。

 日銀は、大規模な金融緩和によりデフレから脱却することには成功しつつあるようだが、今度は、人手不足という供給側の問題が表面してきた。この問題は、日本の根本的な問題である少子高齢化が原因である。この問題を解決するために、日本政府は全力を尽くす必要がある。