経済ブログ

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ドルとユーロと円の関係

ドル/円が上昇、ユーロ/ドルが下落、ユーロ/円が上昇した時は、ドル>ユーロ>円。

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債権と金利

 国債や優良企業の社債などは、株式などより安全とされて おり、比較的リスクの低い資産となります。国債価格の上昇、金利の低下は、リスク回避姿勢の強まりを意味し、比較的安全資産である国債資金が向かってい ることを意味します。逆に、国債価格の下落、利回り上昇は、リスク選好姿勢の強まりを意味し、国債から比較的リスクの高い株式などに資金が流れていること を意味します。また、中央銀行による国債購入の金融緩和は、国債の利回り下落を促します。
 国債の利回りを見ることによって、市場がどのように現在の経済を見ているかを判断する一つの材料となります。

2015年1月は、ユーロが大きく下落

 ユーロは2014年12月半ばから、今年の1月のECBでの量的緩和決定への思惑が強まったことから大きく下落し始め、1/14にユーロ/ドルは1.257から1.1728まで下落した。1/15には、スイス中銀がサプライズ的に対ユーロでの上限枠を撤廃したことからユーロは急落し、ユーロ/ドルは1/16に1.146まで下落、1/21に1.168まで戻すが、1/22にECBが市場予想を上回る量的緩和を決定し、1/26に1.1098まで下落した。その後対フランでの戻しや、イベント追加による手仕舞いもあり、1/27に1.1422まで戻し、1月は1.1293で引ける。2015年1月の月足は、始値1.21、終値1.1293、高値1.2107、安値1.1098の大陰線となり、2014年5月の直近高値1.3993から1.1098の大幅下落となった。

 ECBが決定した主な量的緩和の内容
・月間600億ユーロの資産購入を決定
・政府債購入は3月に開始
・資産購入は2016年9月まで継続
・資産購入はECBへの資本比率に基づき実施
・機関債の購入で生じる損失は共有の対象
・ECB金利は下限制約に達している

2015年の主な政治・経済日程

<1月>
世界経済フォーラム年次会合( 21〜24日)
ギリシャ総選挙 (25日)
IMF世界経済見通し発表

<2月>
EU首脳会議 (12~13日)
G20財務相、中銀総裁会議
FRB議長議会証言

<3月>
米国債務上限引き上げ期限 (15日)
EU首脳会議(19~20日)
中国全人代開幕

<4月>
IMF・世界銀行春季総会(17〜19日)
IMF世界経済見通し発表
G20財務相・中銀総裁会議

<5月>
英議会総選挙 (7日)
G8首脳会議(16~17日)
OECD世界経済見通し

<6月>
OECD閣僚理事会(3~4日)
OPEC総会(5日)
世界銀行tが世界経済見通し発表
主要国首脳会議(G7サミット)
EU首脳会議(25~26日)

<7月>
FRB議長議会証言
IMF世界経済見通し発表

<9月>
世界経済フォーラム サマーダボス会議(9~11日)
国連総会
IMF世界経済見通し発表

<10月>
IMF・世界銀行年次総会(9〜11日)

<11月>
G20首脳会議(15〜16日)
OECD世界経済見通し
国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(11月30日〜12月11日)

<12月>
WTO第10回閣僚会議
ASEAN経済共同体発足
OPEC総会

世界の証券取引所の立会時間

東京証券取引所
前場 9:00~11:30
後場 12:30~15:00
先物 9:00~15:15
ナイトセッション 14:30~翌3:00

香港証券取引所
前場10:00~13:30 (現地時間9:00~12:00)
午場14:00~17:10 (現地時間13:00~16:10)
 
上海証券取引所
上場 10:30~12:30 (現地時間9:30~11:30)
午場 14:00~16:00 (現地時間13:00~15:00)

フランクフルト証券取引所
16:00~翌0:30(現地時間10:00~16:30)
 
ロンドン証券取引所
17:00~翌1:30 (現地時間8:00~16:30)

ニューヨーク証券取引所
23:30~翌6:00 (9:30~16:00)


・欧米は、3月中旬頃から11月の初めの頃まで、サマータイムで一時間早まる。
・日本とロンドンの時差は9時間、ニューヨークとの時差は14時間。
・ロンドン市場とニューヨーク市場が重なっている日本時間21:00~翌2:00の時間帯は、世界で最も取引されている時間帯であり、世界の情勢を表す時間帯である。
・中値とは、午前10時頃の気配値を基に、銀行が当日渡しの10万ドル未満の外国為替取引にあたって提示する基準レートの事。
・ロンドンフィックスとは、ロンドン市場でのその日の対顧客向けの基準レートを決める時間で、日本時間で深夜1:00。日本の中値に相当する。

FRBは量的緩和終了、日銀は追加緩和を決定、GPIF新資産構成の目標値公表

 10/30日をもってFRBは、量的緩和を終了させた。量的緩和の終了は予定通りだったが、FOMCの内容が労働市場の改善を示唆するなど市場にタカ派的と受け止められ、利上げへの思惑が強まりドルは上昇した。

 10/31の日銀金融政策決定会合では、追加緩和を決定した。内容は以下の通り。

1.マネタリーベースの拡大(賛成5反対4)
年間約80兆円(約10~20兆円追加)に相当するペースで増加するように金融市場調整を行う
2.資産買い入れ額の拡大及び長期国債買い入れの平均残存年限の長期化(賛成5反対4)
2①長期国債保有残高年間約80兆円(約30兆円追加)に相当するペースで増加するよう買い入れ行う。イールドカーブ全体の金利低下を促すため柔軟に運用、買い入れ平均残存期間を7~10年程度に延長する(最大3年程度延長)
2②ETF年間約3兆円(3倍増)J-REIT年間約900億円(3倍増)に相当するペースで増加するように買い入れる。新たにJPX日経400に連動するETFを対象に加える。

 そして、その日の午後にはGPIF新資産構成の目標値が公表された。

  国内株を12%から25%に増加。

  国内債を60%から35%に削減。

  外株を12%から25%に増加。

 先週後半からのこの動きを受けてドル/円は、108円から112円35銭と二日で4円以上も急騰、クロス円も急騰した。日経平均も二日で15596から16413へと約800円の急上昇となった。日銀の追加緩和は市場にとってはサプライズで、欧米にも大きなインパクトを与えたようだ。

日、米、欧中央銀行の最近の金融政策比較

  9/4(木)のECB理事会で政策金利が0.1パーセント引き下げられ、0.05%となった。また、来月からABS(資産担保証券)の購入を開始するとし、量的緩和についても話し合ったと発表した。最近の欧州の経済指標が弱かったこと、CPIも伸びずデフレへの警戒感が強まったことなど欧州経済が悪化傾向にあるため、今回のような決定を下したようだ。

 市場は、大方現状維持との認識が大勢で、利下げはサプライズだったらしく、利下げ発表後ユーロ/ドルは1.315から1.292、ユーロ/円は137.98から135.97まで大きく下落した。

 現在の日、米、欧各国の中央銀行の金融政策をまとめると、日本は年2%のインフレターゲットを設定し、大規模な金融緩和を実施中。米は、好調な米経済を受け、10月にも米国債MBSの購入を終わらせ、金融緩和を終了させるようで、市場は利上げの時期に関心が移っている。2015年後半以降との見方が大勢。欧州は、今回大きく利下げし、最低水準の政策金利となった。追加緩和も検討中のようだ。このような中央銀行の政策の違いが、ドルが大きく上昇している要因の一つとなっている。