経済ブログ

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アメリカのインフレ政策は正しいのか?

 日本は長い間デフレで苦しんでおり、アメリカみたいに年2%のインフレが理想的だとして、黒田日銀総裁のもと大幅な金融緩和を実施し、年2%のインフレを目指している。今のところ日本の年2%のインフレは実現しそうもないが、アメリカの現状をある記事で読んだ。それによると、ここ約20年間、米国のCPIは年率2~3%前後で推移している。アメリカの学費は、この15年間で2.5倍、家賃は1.5倍、医療費は2倍になった。もちろん賃金がそれと同じ、それ以上の上昇があれば問題ないし、インフレと賃金上昇は理想的な経済と言われている。だが、アメリカの賃金は15年間で約1.3倍にしかなっていない。これを見るとアメリカ人の生活はむしろ苦しくなっているのがわかる。教育、家賃、医療といったサービスは、生きていくうえで不可欠で、其の価格が上昇しているとなると、生活が苦しくなると感じるに違いない。
 日本はデフレで苦しんではいるが、サービス価格は大きく変わっていない。賃金も大きく変わっていない。現状維持と言ったところだが、客観的に見るとアメリカよりは苦しくなっていないのがわかる。
 このようにただインフレだけを目指すのは、間違っていることがわかる。要するに、インフレ率と同じか、それ以上の賃金上昇がなければインフレは国民にとってマイナスだし、デフレでも賃金が変わらないか、逆に上昇すれば国民にとってプラスという事になる。
 インフレ率より、賃金の上昇に焦点を当てることが正しい経済の見方であろう。